電磁波シールド | アプリケーション

近年、スマートフォン等の携帯無線機器の発展に伴い、無線機器の重要性が急速に増してきています。あらゆる無線機器は、「電磁波」によって通信を行っています。安定した通信を行うには、電磁波環境が理想的である必要があります。例えば、電子レンジは電磁波で食品を加熱する機器です。皆様もご経験があるかと思いますが、電子レンジを使っていると、携帯通話にノイズが入ったり、無線LAN通信が障害を受けたりといった、電磁波による干渉を受けます。これを防止するのが電磁波シールドです。電磁波シールドには大きく2つの役割があり、パーツから発生する電磁波を外に漏らさないためのものと、外部からの不要な電磁波が内部に侵入するのを防ぐためのものです。いずれの電磁波シールドも、金属などの導電性の材料で形成されます。この際、より抵抗率の低い材料が良いシールド効果を発揮します。
これまでは、シールド構造を形成させるために板金加工や導電性テープで覆う等の工程が必要でした。この工程をナノインク塗布に置き換えた場合、プロセスコストを飛躍的に低減できます。ナノインクは、塗布によって金属箔を形成できる材料です。弊社では、最も抵抗率が低い金属である銀ナノインクを、電磁波シールド用途として推奨しています。用いるナノインクの濃度や塗布法に応じて、1マイクロメートル以下の超薄膜から、数マイクロメートル程度の厚さまで自在にコントロールできます。加えて、アースへの接続も容易です。弊社のナノインクは、対象とする基板材料に応じて密着性を持たせた、各種グレードを用意しています。良い密着性は、高い信頼性を確保するためには絶対に欠かせない要因です。従来のプロセスと異なり、高い密着性によって銀ナノインクで形成させる薄膜は、動きの発生するフレキシブル基板においても高い信頼性を発揮します。弊社では、お客様が対象とされるパーツ等に合わせた試作を行うことが可能ですから、電磁波シールド形成を効率化されたい方は是非お問い合わせください。