バイオセンサー | アプリケーション
バイオセンサーは、主に生体に含まれる分子を、何らかの方法で検出して信号へと変換させるものです。近年、医療や健康管理の観点から市場は急成長しており、2016年現在において世界市場は約2兆円と見積もられています。バイオセンサーの中でも重要なものは血糖値(グルコース)センサーであり、バイオセンサー市場のおよそ9割を占めると見積もられています。血糖値センサーを用いた測定では、まず指先などに穿刺を行い、少量の血液を出します。これを電極チップに吸い込ませ、血糖値の測定を行います。血糖値センサーの重要なパーツが、使い捨ての電極チップです。この電極チップには金などを用いた電極パターンが形成されています。高価である金が利用されるのは、金が安定な物質であり、電気化学的に電位窓が広く、安定して反応を検出できる等の、他の素材には変えがたい利点があるためです。

弊社金ナノインクを用いてインクジェット 印刷を行った金電極パターン
弊社では、このような電極パターンを簡便に形成できる、金および銀のナノインクを用意しています。ディスペンサーやインクジェットを用いて、電極パターンを容易に印刷形成できます(注)。この際、バイオセンサーのような電極用途で用いるには、電極表面が清浄である必要があります。一般的なナノインク塗布膜には、大量の有機物残渣が存在するため、印刷された電極表面は有機物によってほぼ完全に覆われてしまいます。このような電極では、金属が露出していないため、そのまま電極として用いることはできません。電極として使える状態とするために、有機物残渣が分解されるほど高温の加熱を行う必要があります。ほとんどのプラスチックフィルムは耐えることのできない温度です。しかしながら、弊社のナノインクで印刷された電極パターンは、このような後処理を必要とせず、そのまま電極として用いることができます。酵素やタンパクなどを用いた電極修飾も極めて容易です。条件の厳しい電極用途にこそ、質の良い弊社ナノインクをお試しください。
(注)品質の良いインクジェット印刷を行うにはコツがあります。技術情報「ナノインクをインクジェットで効率よく塗るには?」をご参照ください。