インクジェットによる配線、電極形成 | アプリケーション
ナノインクをインクジェット印刷でパターニングする最大のメリットは、その「スピード」にあります。インクジェット印刷ならば、デジタルデータさえあれば、その場ですぐに試作を行うことができます。試作には、常に改良が伴います。サイズを10%大きくしたい、ある部分の配線を少し伸ばしたい・・・などなど、今までであれば、外注して納期がかかるようなものでも、デジタルデータを加工して、すぐに次の試作が可能となります。これは、開発スピードの劇的な向上をもたらします。めまぐるしく外部環境の変化する現代においては、スピードは何よりも重要視されるべきものです。ナノインクとインクジェットの組み合わせを使いこなすことができれば、御社にとって多大なメリットをもたらすでしょう。

PETフィルム上に家庭用インクジェットプリンターを用いて形成した銀パターン
弊社ナノインクは、世界最高レベルのインクジェット適合性を持っています。インクは高い溶液安定性をもっており、インクジェットでの安定吐出を実現しています。加えて、熱処理は比較的マイルドな条件を適応できます。また、密着性に優れる各種基板用グレードを用意しています。弊社で密着性を確認している基板材料は、PET(ポリエチレンテレフタレート、易接着処理品および未処理品を利用可能)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネート)、ポリウレタン、塩化ビニル、ガラスエポキシ、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー、ガラス等があります。(注)基板密着性は、ナノインクを塗布乾燥させた後に、加熱を行うことでより強くなります。弊社ナノインク塗布膜の密着性を高めたい場合には、まずはより高い温度での熱処理をご検討ください。それでも解決できない場合には、バインダーを増量させる等で、御社用の特殊グレードを作成可能です。弊社ナノインク塗布膜の抵抗率もまた、熱処理温度と時間の影響を受けます。条件の許す限り、高温、長時間の処理がより低い抵抗値を与えます。弊社では、120℃以上での熱処理を推奨しています。

市販のプラフィルムに形成した USB 発光キット
(注)品質の良いインクジェット印刷を行うにはコツがあります。技術情報「ナノインクをインクジェットで効率よく塗るには?」をご参照ください。また、特にガラスは表面を清浄に保つことが重要です。