融点降下とは? | ナノインク技術資料

 金属微粒子は、そのサイズが小さくなればなるほど、融点が低くなる特徴『融点効果』を持っています。特に、この特徴は、数十ナノメートル以下のサイズのナノ粒子で観察されます(図1)。

 

図1 融解曲線にみられる粒子のサイズ効果

図1 融解曲線にみられる粒子のサイズ効果

 



 ナノインクの焼結は、この融点降下をうまく利用したものです。ナノインクは、塗布後に加熱による焼結を行い、金属箔に近い金属膜を作り出すことのできる材料です。この焼結の際、主原料がナノ粒子であるため、融点降下が働きます。結果として、より低い温度で、バルクに近い金属の連続膜を作ることができるのです。この際、粒子サイズがより小さい粒子の方が、融点降下の効果が大きく働きます。

 ナノ粒子は質量に対し、表面積が広大な材料となるため、この表面は極めて高い活性を持っています。つまり、ナノ粒子はサイズが小さいほど、より鋭敏に酸化の影響を受けます。一般に、ナノ粒子の表面酸化は、焼結過程に不利に働きます。金属よりその酸化物の方が、大体は高い融点を持つわけですから、酸化が与える影響というものをご想像できると思います。

 ですから、ナノインクに含まれる金属ナノ粒子は、単にサイズが小さければ良いという訳ではなく、ユーザーの利用環境に即し、表面酸化とナノサイズ化による融点降下のバランスが重要となります。

 弊社では、試行錯誤の結果、インクとしての使いやすさをなるべく犠牲にせず、きちんと焼結を行うことのできるナノインクを供給しています。

 弊社のナノインクは120℃での焼結で、導通を得ることができます。実際には、60℃程度の加熱を24時間以上の長時間をかけることで、導通を得ることができます。しかしながら、60℃の加熱では、焼結が極めて遅いため、膜強度があまり出ません。ですから、弊社では銀インク、金インクどちらも、120℃以上での加熱を推奨しています。

 この加熱は、オーブンやホットプレートでも構いません。スピード重視の場合には、キセノンフラッシュランプを用いた光焼結を利用することも可能ですし、レーザーによる焼結も可能です。ホットプレートを利用される場合、設定温度=プレート表面の温度です。その上にナノインクを印刷したフィルムなどを載せる場合、実際の焼結温度がかなり低くなる場合がございますので、ご注意ください。




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